ご案内
産業革命が起きた18世紀中頃以前はほぼ1180ppmV程度であったが、その後、指数関数的に増大し360ppmvに達している。
現在は年におよそ1.5ppmv程度増加している。
もとになったデータは南極などの分厚い氷(氷床)をボーリングして採取し、その中に含まれている過去の空気を閉じこめた気泡の濃度測定をしたものである。
この結果は産業革命を境として石炭等の使用量が増加したこととよく符合している。
この増加には化石燃料の使用の増加の他に、石灰岩からセメントをつくる過程での発生や、熱帯林の伐採などの土地利用の変化等も関係している。
地球温暖化問題の現状メタンや一酸化二窒素も二酸化炭素と似たような増加の仕方をしている。
ハロカーポンは今世紀に入って使用されはじめたものが多く、これは成層圏のオゾン層の破壊を引き起こす原因物質でもある。
オゾン層が破壊されて地上に太陽の紫外線が届くようになるのを防ぐために、オゾン層保護に関するウィーン条約が結ばれており、現在わが国でのハロカーポンの使用は禁止、ないし制限されていて、その効果が既に現れはじめている。
二酸化炭素等の増加の主たる原因については、人間のエネルギー消費量の増大によるものという見方もできる。
火力発電、乗物の燃料や石油化学製品の原料などとして化石燃料が使われている。
また、さまざまな製品の製造過程で化石燃料エネルギーが消費されていて、その過程で二酸化炭素が発生している。
現在のわれわれが享受している便利で快適な生活は、われわれが消費する大量のエネルギーに支えられている。
その量は一人一日当たりで考えると、われわれが生命を維持するのに必要な食物エネルギーは約2500キロカロリーの100倍を既に超えている。
その一方、世界の人口は、今世紀に入った当初17億人程度であったものが現在55億人を超え、来世紀半ばには100億人を突破するのではないかと予測されている。
したがって一人一日当たりのエネルギー使用量が現在のままでも人口が倍になれば総エネルギー消費量は倍になってしまう。
化石燃料の使用によらないでエネルギーを得る技術革新がいろいろ検討されているが、現在のところその実用化の目処が立っていないという実状である。
大気中に二酸化炭素等の気体が増加するとなぜ、地球の気温に変化が生ずるのか。
しかも100万分の1を単位として測らねばならないような増加がどうして問題になるのか、不思議に思えるだろう。
それはこれらの気体の濃度増加によって地球のエネルギー。
バランスが変化し、地上気温が上昇するようになるからである。
ではどのようにしてエネルギーバランスが変化するのかを説明しよう。
‐地球は太陽から放射エネルギーを受け取り、地表面や周囲の大気から赤外域の放射エネルギーを宇宙に放出し、エネルギーの収入と支出が釣り合ってバランスしている。
気体は決まった波長の光を吸収したり放出する性質がある。
二酸化炭素の場合、太陽光の波長域(およそ0.24ミクロン)では大きな吸収がないので、二酸化炭素が大気中で増加しても地上に届く太陽エネルギーにはあまり影響を与えない。
一方、赤外域の波長およそ13〜18ミクロンの光は二酸化炭素が吸収・放出するので、二酸化炭素が増加すると大気中で吸収・放出する量が増え、地上で考えると大気から下向きに放出される赤外域の放射エネルギーが増加する。
その分エネルギーが余計にたまるようになり、地上気温が上昇する。
これが温室効果である。
地上気温が上昇すると、対流が生ずる対流圏(地上から高さ十数キロメートルの大毒内では対流による熱輸送によって気温が上昇する。
対流圏の上には気温が高度とともに上昇する成層圏と呼ばれる大気層がある。
この大気層の気温は、オゾンなどが太陽光を吸収する加熱と二酸化炭素などが赤外線を放出する冷却とが釣り合って維持されている。
二酸化炭素が増大した場合、赤外線放出による冷却効果が増大するため成層圏の気温は低下する。
気体ではないが、大気中には液体や固体の微粒子が浮遊している。
直径が0.001〜10ミクロンのものをエアロゾルと呼んでおり、その種類もいろいろなものがあるが、その中の硫酸エアロゾルが化石燃料の消費の増大によって増加している。
これは化石燃料の中の硫黄分がもととなってできるものである。
この硫酸エアロゾルは地上に届く太陽光を遮り、温室効果気体とは逆に地上気温を低下させる働きがある。
しかし、このエアロゾルはかつての公害問題を引き起こした元凶である。
また、この硫酸エアロゾルは酸性雨を引き起こすものでもある。
だからエアロゾルを増加させて気温の上昇を相殺させればよいということにはならない。
産業革命以降1992年までの温室効果気体とエアロゾルの濃度変化による人為的放射強制力と、1850年から現在までの太陽放射の自然変化による放射強制力の全球年平均値の見積もり。棒グラフの高さは強制力の中間見積もり(mid-rangeestimate)を示し、エラーパーは、主として公表された値に基づく不確実性の範囲の見積もりを示している。
「信頼水準」は、実際の強制力がこの範囲内にあるとの著者による信頼性を示している。
地球温暖化問題の現状ライフタイムは一週間程度と考えられている。
温室効果気体の中ではメタンのラィフタィムが最も短いが、それでも12年程度である。
二酸化炭素の場合、大気中から除去される過程にいろいろなものがあってラィフタイムの見積もりに幅があり、50年から200年程度と考えられている。
つまりこれらの気体の放出削減の努力を始めても、その効果が現れるにはライフタイム程度の時間が必要であることをはっきりと認識しなければならない。
温室効果気体やエアロゾルが増加したら将来どのような気候変化が生ずるのかを知るために、気候モデルが用いられる。
これは、地球全体のエネルギー簿バランスの変化に伴って生ずる気候変化を、物理法則に従って求めるものである。
変化は時間とともに進行するので、それを追って気候変化を求めていかなければならない。
百年先まで計算するには、一秒間に数十億回の計算能力のあるスーパーコンピュータを用いても何か月かを必要とする。
計算結果は以下のようになった。
地上気温は上昇し、全球上の降水量と蒸発量も増加する。
海氷域や積雪域が縮小し、そのような変化の生ずる高緯度域で特に顕著な昇温が生ずる。
降水では、梅雨末期の豪雨や台風のときの雨をもたらす対流性の降水が増加し、その一方で広範囲にしとしと降るタイプの層状性の雲からの降水は減少する。
日本付近で考えると、冬は冷たい季節風が弱まり、夏は東アジア一帯に雨をもたらすモンスーンが強まるのではないかと考えられている。
あるいはオホーツク海の海氷が冬でも張らなくなって気温が特に大きく上昇するかもしれないことが気象研究所のモデル実験では得られている。
しかしこれらは東アジアスケールでみた傾向であり、日本地域でわれわれにとって最も関心のある梅雨や台風がどのようになるかについてはまだはっきりした見通しが得られていない。
気候変化の予測上昇すると予測されている。
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